イケフェス:関西大学ガイドツアー

関西大学 お出かけ

大阪で近年やっている生きた建築ミュージアムフェスティバル(イケフェス)、なんだかんだと予定が被って参加できていなかったのが、今年は行けそうだったので、ガイドツアーに応募した。

その一つ、関西大学キャンパスツアーに参加できたので、見てきたものをメモしておく。
関西大学千里山キャンパスには村野藤吾の建築がけっこうあって、わりと家からも近いのだが、大学って関係ない人が入っていいのかいけないのかよくわからないし、建物の写真を撮ってて「学生を撮っただろ」とか言われてもやだなーと、なんとなく気が引けて行ったことなかった。
なので、こうして堂々と参加できる機会はありがたい。

関西大学はとにかく広かった。在籍者数は3万人くらいいるらしい。多い。関西大学前駅で降りて大学正門までほとんど学生しかいない。
集合時間までお茶でもしようと思ったら、喫茶店がなかなかない。歩いても歩いてもラーメン屋ばかり。

村野藤吾は関西大学の建築に30年くらい関わっていて、その建築は40くらいあったけど解体建て替えとかで半減して今は19か20が残っているそう。
教室や研究室のある学舎だけでなく、円形の元図書館、ホールや課外活動で使われる茶室など。あと解体して新築工事中だけど体育館とかもあったそう。

村野藤吾の千里山キャンパス初の作品だった旧大学院学舎は建て替えられて岩崎記念館になっている。
窓が各階層によって違う…1階はへこんでいて、2、3階はフラットで、4階は出っ張っているというのが面白かった。

あと、茶色系のレンガ風タイルの外壁の建物が多いけど、それぞれに違いがあった。
タイルが小さい第1学舎2号館

関西大学第1学舎2号館外壁タイル

研究室1号棟は建物の正面と側面でタイルの表と裏を使い分けているそうで、表面の凹凸が違い、日が当たった時に影で表情が変わるそう。

関西大学研究室1号棟

学生の課外活動の誠之館。この外壁のごわっとしている感じは、コンクリートブロックの裏面なんだそう。

関西大学誠之館

こういう外観の素材感と、大きな建物でも単調にならない工夫みたいなのが村野らしさなのかなー。

キャンパス内には円形の建物が2つあって、どちらも旧図書館。

関西大学簡文館

簡文館は今は博物館なので、開館時は自由に来られそう。
展示室では縄文から古墳時代の考古資料が展示されていた。

関西大学簡文館

窓とバルコニーとタイル、上の方の開口部が外から見ると印象的だけど、資料室は展示で窓が塞がれているので、中からは見られないのはちょっと残念。

あと中にはあの、村野藤吾といえばこれ!ってかんじの階段があった。あと扉の把手とかもオリジナルのものが残っているそう。

関西大学簡文館の階段
関西大学簡文館階段

もう一つの旧図書館、円神館は現在はITセンターになっていて、今回は中は見られなかったけど、どこから見てもあの中の部屋どうなってるんだろうと思う。

関西大学円神館
関西大学円神館

これは別の場所だけど、浮いている感じが面白い。

関西大学の学舎

他にも茶室やホールなどを外から見学し、そして第3学舎1号館は中に入らせてもらえた。
消防法のため吹き抜けの階段にパネルを設置しなければならなくなったそうだけど、これ吹き抜けのままだと、かっこいいけど高所苦手な自分は使うのが怖いと思う。

関西大学学舎吹き抜け
関西大学学舎階段

ガイドを聞いていて印象に残ったのは、学生が集まる空間づくりと、あと現役で使われる建築であるために、解体されたものもあるけれど、残った建築は耐震基準を満たすための色々な工夫をして使われているということだった。

夕方までたっぷり案内してもらい、感謝しつつ帰宅。

関西大学