九州旅行最終日。
後半は台風の影響に振り回されたが、次第に天候が回復し始めたので、当初の予定通り行動することにした。
高速道路を使って、国宝の磨崖仏を見に臼杵へ。
磨崖仏というのでなんとなく山登りを覚悟していたが、拝観料を払って少し歩いただけで対面することができた。
想像していたより一体一体は大きくなく、それから想像していたよりずっと数が多くて、状態がよい。
修復工事を受けているとはいえ、よく野ざらしでここまで残っているなーと驚かされた。
ホキ石仏第二群
第一群
4つの龕に磨崖仏が20数体も!
山王山石仏。お顔が一番好き。
古園石仏
今は戻されているけど、かつては頭部が崩れ体部の前に置かれていたらしい。写真で見るとけっこう衝撃的。
台風一過の晴れた空の下、里山の風景の中で天然の岩壁に彫られた仏像をめぐる…他にない素晴らしい体験だった。
高速を北上して国東半島へ。
国東巡りは3回目で、最初は史跡巡りバスツアーに参加して有名どころを巡り、2回目はそれらを外して巡ったんだけど…初回の時って、大分の友人と飲んでほとんど徹夜状態で、しかも真夏だったので、熊野磨崖仏の鬼が作ったっていう急な階段を登って心臓がばくばくして死にかけたことしか覚えていなかった。
その時の日記はちょっとだけ書いてある。
けど、国東巡りのことはまた改めて書くとか言いつつ忘れていたなー。大方忘れたとはいえ、この経験が元で国東半島に夢中になってしまったわけです。
ていうかこの日記は2011年、6年前の九州旅行なんだけど、今回もお世話になった福岡の友人とその時食べたのがラーメン、唐揚げ、カレーとかで、あれはあれで美味しかった記憶があるけど今回の旅と比べるとお互い随分エンゲル係数上がったなーと読み返してしみじみした。
そういうわけで、今回は初国東のバスツアーで巡った真木大堂、両子寺、富貴寺に再チャレンジという予定だった。
あれから見仏経験値も少しは貯まってるはずだし。
熊野磨崖仏? 今より10kg痩せたら再会したいと思う。
別府湾SAで昼食を取り、臼杵から2時間弱くらいで真木大堂に着きました。
こちらの収蔵庫には阿弥陀如来と四天王像、不動明王と二童子像、大威徳明王像と9体の像が…そういえば制多迦くんと矜羯羅くんは九博で一足お先に会ってた。
とても堂々とした迫力のある像。
不動明王は迦楼羅炎の光背がかっこいいし、大威徳明王は乗ってる牛の首筋のしわが印象的。見惚れる。
外の石造物が点々とある公園もけっこう見ごたえがあります。
続いて両子寺へ。
駐車場に車を停めてから、仁王像のところまで一旦階段を下りてみる。
国東半島と言われて真っ先に思う光景はここ。
護摩堂にお参りして奥の方へ。
こんな階段上ったっけ…上ったかもしれない…と奥の院へ。
岩壁を背後にした懸造の奥の院を初めて見たときはこんな建築があるのかとびっくりしたなあ。
特別公開の日ではなかったので、内陣のお像にはお目にかかれなかった。
バスツアーの時に両子大権現は拝見した気もするんだけど、その後入った奥の印象が強くてとんでしまっている。
最後に富貴寺へ。
入り口で猫が出迎えてくれた。
特別拝観ってできますか?とこそこそ聞いたら、できなくもない、と返してくれて、懐中電灯を借りて内陣奥へ。
奥には地蔵菩薩など石の仏像がありました。その中に白山権現の像もあった。すごいなーすごいなーと見てきた。
国東半島にいくと、いろんなとこに石造物があって、おー!すげー!ってなるんだけど、富貴寺に至ってこんなの国東でしか見たことないみたいな石造物が飽和して頭がぱーんとなる。
苔むした十王像とか。
臼杵と国東、はしごしてじっくり見るには全然時間が足らず、泣く泣く出発。
中津駅で車を返却。2泊3日で475kmほど走っていた。帰りはソニックとのぞみを乗り継いで大阪に帰り着きました。
ホテルや旅館から2回に分けて発送したお土産がけっこうな量になっていた。
それから、今回の旅で手に入れた山岳信仰関連本。
今回の経験と手に入れた本、どちらもかなり嬉しいものとなりました。