最近見た映画

映画

最近でもないんですが、映画館で見た映画の感想を書いておきます。

ウェス・アンダーソン監督の『グランド・ブダペスト・ホテル』
今は客も少なくなり廃墟一歩前のホテルで、滞在している作家が謎めいたオーナーと出会いかつてホテルが栄華を誇った時代の話を聞くという導入から、伝説のコンシェルジュとボーイ見習いの少年の、老婦人の死と遺産相続を巡る冒険が始まる。
高貴な客を性的な意味でもてなす紳士な上司と、戦争で故郷をなくした中東系の少年(まだ髭も生えてないのでペンで描いている)の組み合わせが面白い。
薄暗くて退廃的な映像、黒いユーモアも多めだけど、テンポが妙によくて…まるでピタゴラスイッチみたいに…サスペンスコメディって言ったらいいのかな〜、話がどう転がっていくか見えなくて、飽きる暇がなかった。不思議な映画。

シルヴァン・ショメ監督の『ぼくを探しに』
主人公は2歳の時に両親が死んだショックで喋れなくなり、今は叔母2人のダンス教室を手伝いながらピアノコンテストに挑戦している青年。
インドでブッダに出会ったという現代の魔女みたいなマダム・プルーストに謎のハーブ茶を飲まされて(マドレーヌで味をごまかすっていう)過去の記憶を探り始める。
過去の記憶も、現在の人間関係も、真実は常に一つ、なのかもしれないけど、見方によって大きく変わるというのがよく分かるように、主人公を取り巻く人たちの見え方が、行動は同じなのに変化していく描写がすごく自然で、それから音楽が素晴らしい。
ピアノに寄り添ってくる胡弓の美しさ、ウクレレを弾く雨だれ。
見終わって最後に残るのは友情だなー。とてもさりげなくべたつかない距離感なんだけど、確かに残る。
悲しい瞳と言われる主人公の笑顔の美しさ。
そういえば主人公とその父親は1人2役っていうのが、髪型と演技でここまで変わるんだなーっていうのがすごい。
これはサントラ買う。

あと『思い出のマーニー』見ました。