岸和田城で蛸地蔵伝説に触れる

岸和田城天守閣 お出かけ

尼崎城、岸和田城、大阪城の3か所で開催されたクロネコキューブの謎解き「三城の秘宝を探せ!」
1か所だけでも謎解きは完結していて3か所クリアによるオマケ謎などはないようでしたが、正月休みに尼崎城編に挑戦したあと、あまり間をおかずに岸和田に行ってきました。

18きっぷ消化のためにJRを使ったので、東岸和田駅で降りて岸和田城まで2.3kmを歩き、謎解きを開始する前に二の丸広場にある観光交流センターでお茶休憩。
その日は成人の日で、晴れ着姿の若者が次々と写真撮影に訪れるのが見えました。おめでたい雰囲気。

天守閣前の庭園は、重森三玲作庭の「八陣の庭」で国の名勝に指定されています。

岸和田城天守閣

天守閣に入る前に隅櫓で謎解きを開始しつつ、岸和田の蛸地蔵伝説の展示があったのでついつい読みふけってしまいました。
天性寺の蛸地蔵縁起絵巻の複製が展示されていたんだけど、蛸地蔵伝説は何段階か時代に隔たりがあるようで、これは海に放棄されたお地蔵様が蛸に乗って海から現れる場面。

蛸地蔵縁起絵巻

……乗っていらっしゃいますねー。
そして時代が下り、岸和田城が雑賀・根来衆に攻められたときに助けに現れたのが大蛸に乗った法師と……

蛸地蔵縁起絵巻の蛸合戦図

配下の蛸たちですね。蛸つよい。

蛸地蔵伝説フォトスポット

フラッシュで撮ると蛸合戦が現れるというフォトスポットもあり、記念に撮ってきました。

天守閣のなかには郷土資料館のけっこう充実した展示があり、ヒントの展示物を探しつつ謎解きをしています。
展示をじっくり見て、その上で考えさせられる謎解きで、難易度はそれほど高くはなかったですが展示好きとしてはわりと満足感はありました。

展示では岸和田藩主の岡部氏の出身地の菩提寺から運ばれてきたという平安時代後期の阿弥陀如来坐像がとても良いお顔の像で、お会いするためだけに岸和田城まで来ても損ではないという感じ(参考→文化遺産オンライン
常設では歴代藩主が紹介され、明治生まれの岡部長景は国立近代美術館の初代館長をつとめたということで、遺品の展示もありました。
上の階の特別展は岸和田市市制100周年記念「岸和田と岡部家」。
岡部家が岸和田藩主となるまでに、出身の駿河国から何か所かに転封されているのですが、その各地に残る岡部家の痕跡を丁寧に紹介した展示でした。

岸和田城庭園八陣の庭

上から見下ろした八陣の庭。諸葛孔明の「八陣法」をイメージしたものなのだそうです。
反対側にまわると奈良方面に二上山が見えて、意外と近く見えるなあと思いました。

三城の秘宝を探せ!岸和田城編

少し悩みつつも無事に謎解きはクリヤー。
時間に余裕があったので、内堀のまわりを歩いてみました。

岸和田城天守閣と石垣

青空に映えてかなりいい感じ。石垣はなんども修復されているそうです。
そのまま歩いていったら五風荘の豪華な門松についつい引き寄せられました。

五風荘の門松

ここは旧岸和田城内新御茶屋跡で、昭和初期に旧寺田財閥当主家の別邸として建設された建物が料亭になっています。

五風荘

気軽にランチに入ろうかーという感じではなかったので遠慮してしまいましたが、立派な庭園があるらしいのでいつか食べに来て中をじっくり見てみたいものです。

この日はこのあと南海の駅からりんくうタウンに行き、アウトレットで服や小物を買い物して帰りました。

1日の中で蛸地蔵伝説の印象が最も強かったので、帰ってから色々検索していたところ、南海蛸地蔵駅のステンドグラスが絵巻が元になっているという情報を知ってしまい、以前蛸地蔵駅に寄ったときの写真を探したら…

南海蛸地蔵駅
蛸地蔵駅のステンドグラス

そのときは電車がすぐに来たので写真だけ撮っておいたのよね…

蛸地蔵駅ステンドグラス

本当に蛸合戦でした。