九州2日目 甘木資料館~福岡市美術館

美術館・博物館

 2日目は午前中は空いていたので、早めにホテルを出てJRで甘木へ向かいました。
 後になって1日目に熊本から甘木に行って、2日目の午前中に福岡市博の新奴国展に行けばよかったと思ったんだけど、甘木でやってる展示に気がついたのが旅行の直前で、新幹線の切符もホテルも早割で手配していたので変更するまでもないかなーと思って、朝から電車。
 基山で乗り換え。

 甘木鉄道はなんか卑弥呼推しで邪馬台国論争めんどくさい派の私としてはこんな大っぴらに推して大丈夫かなとどきどきしてくる。
 開館前に甘木歴史資料館に着き、少し建物の前で待ちました。

 「黒川院調査と山岳宗教」展。入場無料で、32Pもある資料館便りも頂きました。英彦山の歴史や調査報告、展示解説も載っててありがたい。
 階段の踊り場に彦山にお参りするルート上にある通堂の板額が。堂々としてけっこういい字。
 常設は民俗資料がいろいろあって、風止め祈願っていうのは初めて見たなあ。台風被害があるから? 駄風流とか、音が面白い。
 あとこの地域では田の神と天神天満信仰が融合しているっていう説明もあって、丑どんとか天神さんから牛が来てるらしい。それで牛の石造物がけっこうあるのかなーっていう。

 黒川院は1334年から彦山の座主の御所があって、17世紀に入って破壊されたそうで、そのくらいの時代なら(自分の興味範囲からすると)えっ最近じゃんって感じがするんですが、山の中だとけっこう痕跡が分からなくなっちゃうんだなあと思いました。
 黒川高木神社の狛犬は、大きな口を開けてシュッとしていた。細かい部分まで観察してないけど、前日に見た青井阿蘇神社の狛犬と体型は似てる感じ。
 1554年の銘がある火王、水王の面。三角の大きな鼻に鼻腔、火王のむき出しの前歯?と個性的。

 あと面白かったのは初めて見た天狗曼荼羅。上部真ん中に僧侶、左右は毘沙門天に不動明王で、下に7人の天狗という。多分天台なんだろうけど、僧が誰とかは分からず。
 それから薬袋や版木などがあって、額に入った牛王宝印は上部に三羽の鷹がいて、烏じゃないんだーと思ったけど、もらった資料を読んだら開山縁起に三羽の鷹が出てくるんですね。修験の遺品がいろいろあって興奮した。
 それから前日に福岡市博の常設で知った九州特有の薩摩塔、首羅山遺跡のレプリカが見られたのもよかったです。

 求菩提の資料館にもいつか行きたいなーと思いつつ、今度は西鉄の甘木駅から電車で天神へ。西鉄ってずっとせーてつって呼んでたけど、にしてつだった。

 天神から地下鉄で移動して、大濠公園のスタバで昼ごはん&充電。
 かなり街中なのにこんな広くて気持ちいい公園があるのっていいなーと思いつつ、福岡市美術館へ。
 「藤田美術館の至宝」展。
 藤田美術館って大阪の美術館なのでわざわざ旅先の福岡で見るというのも不思議なんですが、福岡在住の友達が曜変天目茶碗が見たいってことで、じゃあ美術館で合流しよーということに。
 といっても、私も友人も展示は1人で見る派なので、見終わるまですれ違うことはありませんでした。

 曜変天目茶碗は、宇宙だった。

 思ったのは、藤田がこれを手に入れて、お披露目の茶会ってやったのかなーと。想像すると恐ろしいよなあ。コレクションからこれに何を合わせる?

 常設の方では絵はあまり興味ないのでさらっと見ただけだけど、地下で仁清の壺が見られて、おーっと思ったのと、あと肩衝茶入銘「松永」が見られてよかった。
 松永久秀由来のものはこれで茶さじと茶入を見ることができたけど、どちらも艶めいて美しい曲線で、どっちかというと松永久秀は嫌いだけど(奈良好きなので)、その趣味はけっこういいよなー。平蜘蛛というのがどんなものだったのか思いを馳せてしまうよな。

 展示を見終えてからやっと友人と合流してお茶しつつおしゃべり。
 それで夜はジビエが食べられるお店に連れてってもらいました。
 鹿も鴨もおいしかったー。もっと肉質が硬いと思ってたのにすごくやわらかくいい弾力。

 福岡ってことでホルモン系も串で食べたり。丸腸がとろけるー。
 それからひげにんにくの天ぷら、にんにく臭はあまり感じないけど食べるとじわっとこくのあるうまみがあっておいしかったです。

 風邪が全然治ってない状態でいったんですが、これ食べた時、一瞬元気になった。
 お酒は自重しました。