展覧会納め

美術館・博物館

2023年の展覧会納めは大阪市内で、山王美術館から藤田美術館にまわろうと決めました。

山王美術館は「横山大観と梅原龍三郎展」。
展示室は3フロアあり、一番上から横山大観中心、梅原龍三郎中心、最後に常設コレクション展とまわりました。

年の瀬には金山平三が見たいという個人的な欲求があり、ここの常設で満たしました。
黒田清輝→金山平三→小磯良平という流れも良いんよ。
金山平三は花の絵も好きなんですが、じっくりと花そのものに向き合う金山平三の絵に対して、隣の小磯良平の花は絵に奥行きがあり、その花の置かれた場所を俯瞰して見る感じがよかったです。

あと、平櫛田中の蕉翁像が、顔なんかは写実的なのに部分ごとに違う彫り方をしていて、部分的には肖像で部分的には神仏像みたいな……とても惹かれました。

山王美術館を出て藤田美術館まで13分ほどの距離をのんびり歩き、館内のあみじま茶屋に並ぼう……と思ったら、品切れで私が最後の1人でした。あぶなかった。

煎茶とお団子で一服。

藤田美術館はリニューアルオープンのときに来て以来。
今月は妖、護、山がテーマでした。

入ってすぐに蘆雪の幽霊・白蔵主・犬と髑髏の三幅対。

ほぼ応挙の感じですね。描き表装の感じで変化がついて面白い。
この部屋では鳥文斎栄之がよかったです。

線も色も丁寧に感じるし、絵巻は静かな風景から始まって吉原にいたり、にぎやかな宴会の場の中にもきれいな着物を着た華やかな人々と、シルエットの人たちと、強弱があるというのか、見ていて気持ち良い絵。

護の部屋では珍しい五鈷鈴とか鎌倉時代の四天王とかかっこいい。

今日は2館あわせて富士山の絵をかなり見た気がしますが、ここでの烏丸光広は嬉しかったです。

関東下向道記。いい料紙にこの字~~~しかも絵まで添えられている~~~~。

それから藤田って暗めの展示室なんですが、塩川文麟って暗い場所でほのかに明るく見えるとすごい魅力的に見えるなあと感じました。

蛍の絵とか特に好きなんですが、ここで見た富士山と月の絵もぼんやりとした月光が感じられて魅力がありました。

あと黄公望の天池石壁図が出ていたので、隣の野呂介石の模本と並べてまじまじと見てきました。

帰りに西梅田に寄り、修理を頼んでいた財布を回収。
今日の戦利品はそれと山王で買った金山平三と小磯良平の花の絵葉書です。

年の瀬に見たかった絵と、美しいものを見て満足の展覧会納めとなりました。