2017年上半期に行った博物館と美術館

竹中大工道具館の入り口 1年間に見た展覧会のまとめ

今年はこまめにブログに行ったメモをつけておこうと思ったのに、春の特別展ラッシュから全然だった。
見たものを文章にするまでに時間がかかりすぎているのかなー。もっと簡単でいいので、時間を空けずにすぐに書くことを意識したい。

今年1月〜6月までに出かけた博物館、美術館は13でした。
今年は奈良で快慶、東京で運慶とどーんと大きな仏像展が企画されているせいか、あちこちで力の入った仏像の展覧会があってなかなか見てまわる方としても忙しいのですが、どっかで展示がリンクしているように感じる、自分の身にもついてくるように感じることがありました。

なんといっても奈良博の「快慶」。だいたいどっかに仏像を見に行って、ひとつ快慶が見られたらもうご褒美じゃないですか、それがここに並んでるのがほぼすべて快慶だと?……ってなる、なんか久しぶりに情報過多でもうおなかいっぱいだ…ってなりました。
よくある三尺の安阿弥様でも、時期によって衣服の表現がけっこう違うのが比較するとよくわかりました。

その日ハシゴしたLIXILギャラリーの「武田五一の建築標本」は、ガラスとか把手、タイル、コンクリートの内部の鉄線とか建築素材がまさに標本のようで、今となってはそれ自体が鑑賞に耐えるものになっていました。
大学の授業で使われた伝統建築の模型、中でも禅宗様のあのややこしい組み木に見入ってしまった。キャプションに、模型を観察して細部を理解し、それから本物の建築を見ることで印象を深めたって書いてて、ああそういう見方をしたらいいのかーと。
明治村に移築された芝川又右衛門邸の写真があって、こういう庭があったのか〜って。明治村は古写真とか中心に展示するとこがもうちょっとあってもいいよなと思いました。

京博の春の「海北友松」も良かったです。龍の絵はこれまでにも見たことあったけど、時代ごとに並べられて狩野派で学んだ後、個性が出てくる感じがよくわかりました。
悠々とした線、点々と置かれた色。線に途中から生命が吹き込まれる感じ。
ガイド借りたので、武士エピソードとか聞けたのも良かったです。

竹中大工道具館は建築儀式の企画展というのに興味を引かれて初めて行ってみました。神戸なんで、レトロなビルに2フロアくらいの資料館かなーとか勝手なイメージで行ったのですが、全然違った。考えてみればあちこちで美術館を手がけてる竹中工務店が、自社の名前を冠する建物に全力を出さないわけがなかった。アプローチからしてただものでなく、常設展示をゆったり回遊していくのも気持ちいい。
常設展示の見応えがあって大変よかったです。大工道具も見応えがあるし、特に組み木細工を触ってばらしたり組み立てることのできる模型がよかった。茶室の骨組みも見入ってしまう。
あとここのチケットがかんなの栞でかわいくて、それ以来愛用しています。

この日は神戸から姫路にはしごして、ひょうごの美ほとけを見たら、その近くの美術館でユトリロ回顧展をやってて、私は絵を見る目がないってのはもうなんども書いてますが、ずっと前にたぶん大原美術館で見たユトリロの絵が印象に残っていて、それで予定にはなかったけどこれも縁かもしれないと見てきました。
年代順でずっと見てくと、なるほどユトリロの白の時代というのは特別なんだなーと。晩年の作品はちょっと色が散漫に感じてしまいます。

最後に行ったのは京都工芸繊維大学美術工芸資料館。
2階で「村野藤吾建築設計図」、1階の2室で「住友春翠の文化遺産」見てきた。この名前がふたつ並んだら、まあ見物に行ってみようかーみたいな感じで。
設計図は近鉄関係の建築の写真と設計図で、なんかこー線とか数字とか素材とか、見て何もわからないなりにわくわくしてきた。
学生の作った模型が展示されてて、その労作に感じ入りつつよく見てきた。学生の苦労話は何度見ても楽しい。
住友春翠は泉屋博古館所蔵の近代陶芸作家の作品。新しい技法を模索してる感じと、春翠さんのコレクションだから文人趣味っぽさがやっぱあるような?
初代宮川香山がいくつかあって、赤い色と窯変の具合に惹かれた。張子の犬の香合かわいかったー。

以下は出かけた場所一覧です。

1/21 南極建築 LIXILギャラリー
1/22 京都国立博物館
2/11 京都国立博物館
2/12 和歌山県立博物館
2/25 大阪市立美術館
4/14 木×仏像 大阪市立美術館
4/27 快慶 奈良国立博物館
 武田五一の建築標本 LIXILギャラリー
5/2 海北友松 京都国立博物館
5/12 祈りのかたち 竹中大工道具館
 ひょうごの美ほとけ 兵庫県立歴史博物館
 ユトリロ回顧展 姫路市立美術館
6/9 村野藤吾建築設計図/住友春翠の文化遺産 京都工芸繊維大学美術工芸資料館