正月休みに家族で広島に旅行に行ってきた。
旅行に行く話は出ていたが年末まで迷っていて、年の瀬のかなりぎりぎりになってホテルに予約を入れて、年が明けてからも行くか行かないかでかなり迷ったが、結局行くことにした。
宮島と尾道には3、4回ずつ行っているし、宮島なんて行って帰るときには今度いつ行こうと思うくらい好きな場所だが、広島市内は歩いたことがない。
普段の旅行は事前にガチガチに計画を練る方だが、今回はぼんやりとした目的地はあったものの具体的にはなっていなかった。
新大阪から広島までのぞみで1時間半くらい。
広島駅に着いてまず観光案内所に行く。
「とくに目的もなくて、なんとなくふらっと来ちゃって……」
というと、受付の方が笑顔で
「来てくれてありがとうございます」
と言ってくれて、やさしく出迎えてもらったようでほっとした。
何箇所かおすすめを教えてもらい、広島で建物のイベントをやっているんですよね、と聞くと、2023年の冊子をくれたので、駅の近くのスタバに入って2日間分の計画をねりねり。
1日目はまず広電の1日乗車券を購入し、乗り倒すことにした。
まずは広島駅から5番電車で終点の広島港まで乗り、今回は行かない宮島を眺めてからまた広電に乗り、少し戻って宇品三丁目で降りて歩く。
広島市郷土資料館。元は宇品陸軍糧秣支廠缶詰工場の一部で、広島市内に残る数少ない明治期の建築物のひとつだそうです。
企画展は「実は広島2─モノづくり編─」として、広島が発祥であるとか、広島が大きなシェアを占めているモノづくりを紹介する展示。
五右衛門風呂や、針や、マンホール、旗をのぼらせるポールなどなど。
常設にまわると、広島の伝統的な地場産業がメインの展示。
近世に広島の漁民が大坂に牡蠣料理を出すかき船を出していて、その資料とか…この展示が嬉しいの大阪人だけでは？と思いつつ、江戸時代の牡蠣料理の再現展示など興味深く見ました。
建物の歴史も常設に展示があり、同じ敷地の食肉処理場の一部を払い下げられたのが松尾糧食工業株式会社、のちのカルビー製菓株式会社だったというのもここで初めて知った。
ここがカルビー創業の地だったのか～。初代工場は解体され、公園にプレートが残っているそうだけどちょうどお昼時になったので、そこまでは探しに行かず、お好み焼きを求めて移動。
お昼は資料館の近くの店でお好み焼きを食べました。
そば抜きもちトッピングとか邪道な頼み方をする。
広島のお好み焼きは作り方からいって、キャベツに水分が残っている食感が大阪との大きな違いかなあ。知らんけど。
この日のお店は上に胡椒をふっていて、ソースに合ってけっこうおいしかったです。
お昼のあとは7番電車に乗り、原爆ドーム前駅まで行き、ここで相方としばらく別行動。
1人で考え事をしつつ丹下健三の平和記念公園を歩き回った。
たぶん、大きな出来事があった場所は、どうしてもその出来事をアイデンティティに内包せざるをえなくて、そのうえでそれが日常になって…みたいなことを考えていたと思う。
しばらくして相方と合流し、次は八丁堀駅に移動して9番に乗り換え、終点の白島駅へ。
検索したら近くにua+というよさそうなカフェがあったので休憩がてらお茶にしました。
カフェラテと抹茶のバスクチーズケーキを注文。
思いがけず辰の絵を描いてくれていたのがうれしかった。チーズケーキもなめらかでおいしく、かなりよかったです。
1駅移動し、次は広島県立美術館へ。
コレクション展「美術館のプロフィール─収集の軌跡／新収蔵作品展」。
入ってすぐのウェルカムギャラリーに、コレクションを代表するような広島ゆかりの作家の作品が並びちょっとした特別室になっている。
コレクションの形成の歴史をたどる展示。
開館初期のコレクションは、画家からの寄贈で始まったよう。それからだんだんとコレクションを補強するように海外作品などが蒐集されている。
サルバドール・ダリの「ヴィーナスの夢」、でかい。これがあるためにシュルレアリスム展っぽい印象を受けたけれど、逆に元々のコレクションに抽象絵画が多かったから核になるような作品としてこれを求めたのかな、とか思った。
広島ならではの作家作品がいろいろ見られたのがよかった。
児玉希望ってけっこう作風が変化していったんだな、とか。あと京都で絵を学んだ画家がけっこういて、四条派、西山芳園に学んでこんなに自由なの…？とかあったり。
文化的にはだいぶ関西に近いように感じたんだけど……なんというか、出ている作品のほとんどが近代だなあ、と。
外でもここでも、ある時代以前のものが存在しない、という事実がじわじわと響いてくる感触がある。
平櫛田中、平山郁夫、靉光。それから船田玉樹の日輪が見られたのはとてもよかった。新収蔵品に丸木位里が複数あって、もう歴程展じゃん！みたいな。
わりとこの頃の絵画好きです。
ショップに日本画の前衛展の図録が残っていて買えたのがラッキーでした。
京都国立近代美術館のカフェに閲覧用においてあるのを読んで、欲しいと思っていた。
広島駅に一旦戻ってロッカーに入れていた荷物を回収し、八丁堀駅近くのホテルにチェックイン。
夕食のお店の予約が少し遅い時間だったので、少し充電休憩したあと、1人で広電乗りつぶしに出かけ（相方は乗りつぶし欲はないので留守番）、6、7、8番とクリアしてきて予約時間ちょうどに予約した店へ。
牡蠣入れ……かきいれ時か、と気がついてすっきりした。
チー坊サワーで乾杯。これけっこうくせになる味。
牡蠣のコースを頼んでいて、生、焼き、フライ、バター焼き、牡蠣飯などなど……堪能。
近くにドンキがあったので珍しいものはないかなとうろついたりしてからホテルに戻り、1日目終了。
