富雄丸山古墳現地公開から天理へ

富雄丸山古墳全景 お出かけ

2023年1月、驚きのニュースがありました。

富雄丸山古墳から日本最大の蛇行剣・前例のない銅鏡が出⼟! - 奈良市ホームページ https://www.city.nara.lg.jp/site/press-release/165641.html

昨年あちこちで「富雄丸山古墳の発掘体験参加者募集〜〜」のチラシは見ていたのですが、まさかそんな大発見があったとは。
現地公開はニュースが出たその週末。
一生一度のこの機会…………行けないこともない!

そういうわけで1月最後の日曜日に出かけてきました。
駅からけっこう距離があるので、本数が少ないバスが混むんじゃないかと心配していましたが、近鉄学園前駅から臨時バスが出ているという情報を得て、さすが奈良は現地公開に慣れている……と思いつつ学園前へ。
臨時バスに乗りスムーズに現地に着くことができました。

2023年1月富雄丸山古墳現地見学会

ぬかるんだグラウンドに並びます。
なんというか……すごいぬかるみでした。
すぐ前に並んでいたお年寄りの方が、最初は水たまりを前に「ズックが汚れちゃう」と尻込みしていたのですが、入り口に近づいたらウオオオオオと泥をものともせずに乗り込んでいったのが見ていて面白かったですね。そうさせる現地公開の魔力がある。
私も数十年後にあのくらい動けるように元気でいたいものです。

資料から発掘調査マップ画像を引用としてお借りします。

マップで見ると北の方から入っていったようです。方向音痴のため当日は自分がどこにいるのか全然わからなかったので精一杯の想像。
中の見学路はほぼ一方通行ですが、出入り口が1箇所で狭くすれ違いできなかったので、そこで人が出ていくのを少し待ちました。

富雄丸山古墳現地見学入り口

けっこう傾斜があり、前日の雨のためぬかるんでいるし、ほぼアスレチックみたいな箇所もありました。雨が降って傘が必要な天気だったらちょっと危なかったかもしれません。
ぜったいに転ばない・スマホやバッグを落とさないと決心して、安全第一で歩きました。
にわか考古学好きとしては、はしゃいで怪我なんかしてハレの日である現地公開にケチは絶対につけられないという強い意志。

Y発掘区の墳丘裾。

富雄丸山古墳墳丘裾

X発掘区の埴輪列。

富雄丸山古墳の埴輪列

U発掘区。葺石や埴輪が!

富雄丸山古墳出土埴輪

湧水施設型埴輪?……なにかすごいものを見ているな!今!
写真を撮ろうとして慌てすぎて間違えてムービー何個か撮っていました。

富雄丸山古墳湧水施設型埴輪

A発掘区の墓坑。

富雄丸山古墳墓坑

このへんがだいたい墳頂でしょうか?
見下ろすと熱心な人だかりがあって、あれがあのへんだなというのがいやでもわかります。

富雄丸山古墳墳頂付近から

ゆっくり下にくだっていき、いよいよ蛇行剣と盾形銅鏡が発見されたF発掘区へ。

富雄丸山古墳蛇行剣出土場所を眺める人たち
富雄丸山古墳の蛇行剣と盾形銅鏡が発見された粘土槨

粘土槨。大きいな〜。いやもう大きいな〜としか。

公開エリアから出て、今度は2号墳の方へ。

富雄丸山古墳2号墳へ向かう人たち

2号墳横穴式石室。

富雄丸山古墳横穴式石室

3号墳。

富雄丸山古墳3号墳

3号墳には埋葬施設がないことが確認され、2号墳とあわせて前方後円墳の可能性があるということでした。
現地にいる間は人の列につらなって、あっちに行ってはおお〜〜っと写真を撮り、ただ興奮という感じでしたが、家に帰ってから資料や自分で撮った写真を突き合わせると、ちゃんと重要な場所には文字看板が立っていて、あそこがあれだったんだなというのがよくわかりました。

並んだのもあわせて1時間半くらい滞在したでしょうか。かなり広い範囲のあちこちにいろいろなものがあったなあ?という感想。この古墳ではまだ発見があるかもしれませんね。
発掘調査速報展がどこかであると思うので楽しみです。
保存処置が終わったら蛇行剣と盾形銅鏡にもいつかお目にかかりたいものです。

来てよかったな〜と現地公開に感謝しつつ、帰りも臨時バスで学園前駅に戻りました。
マクドで軽く昼食をとり、近鉄で天理駅に移動。
天理参考館に歩いていきます。

天理参考館

「二度見する造形」展と、富雄丸山古墳出土の銅鏡が常設で展示されているのでそれを目当てに来ました。
銅鏡のところにはさっそく富雄丸山古墳の今回のニュースのパネルが展示され、対応の早さがさすがという感じ。天理参考館推せます。

天理参考館展示の富雄丸山古墳出土銅鏡

「二度見する造形」展は、そもそも天理参考館の所蔵品が二度見する造形だらけなんですが、選りすぐりのものが展示されていました。
ひとつひとつの造形をよく見て文章にした説明がつけられていて、造形を丁寧に見て言葉にするという点でとても学びがありました。
あとコブウシの発掘現場写真の展示とかとてもよかったです。

この後の予定が残っていたので、昨年も何度か来ているし常設は3階のみで(というか3階だけでもすごくボリュームあるんだけど…)、お気に入りのおじさんを見て次へ。

天理参考館展示のおじさんの俑

天理参考館から歩いてなら歴史芸術文化村へ。
「発掘された日本列島2022」展で最近の発掘調査の展示を見ました。
ふだん行く資料館だと関西地域に偏っているので、他の地域のことを知るいい機会です。
地域展としてなら歴史芸術文化村がある地域の石上・豊田古墳群と別所古墳群の各古墳の紹介展示があり、この辺でも知らない古墳がたくさんあるなあ…と圧倒されました。

1周年記念展「山辺の道」のチラシがあり、久しぶりに歩きに行こうかな〜と村の池のところから山辺の道の方(たぶん)をしばらく眺めて、道の駅で少し買い物をして帰りました。

なら歴史芸術文化村の裏の池

この日のおみやげ。アンケートを書いたら右の立派な冊子を頂いてしまいました。ありがた申し訳ない。

二度見する造形展、石上・豊田古墳群と別所古墳群展の冊子